大量輸血時

 24時間以内に、患者の循環血液量と同等またはそれ以上の輸血が行われた場合を大量輸血という。大量輸血後、患者本来の血液の大部分は、輸血された供血者の血液と入れ替わっている。このため、高感度の交差試験をしてもあまり意味はなく、続いて輸血される血液のABO適合性確認のために生理食塩液法を実施すれば、その後の間接抗グロブリン試験は省略可能である。ただし、臨床的に重要な不規則抗体が同定されている患者では、抗体産生により再び抗体価が上昇する可能性を考慮して、引き続き対応抗原陰性の血液の選択に努める。


交差適合試験にもどる

輸血にもどる