交差適合試験

交差適合試験(溶血性輸血副作用の防止)

 輸血前検査として、溶血性輸血副作用防止に重要な検査
輸血用血液と患者血液との間に血液型抗体に起因する抗原抗体反応が起こるかを試験管内で検査し、輸血による副作用を未然に防止する。

【臨床的意義】

 輸血の際、ABO式血液型が同型と認められる場合にも起こりうる下記の偶発事故を防止する。
 (1)ABO式の血液型の判定の誤り。
 (2)後天性溶血性貧血、原発性非定型肺炎などの患者では、殆どの供血者の血球を
    凝集する。(寒冷凝集など)
 (3)輸血歴、妊娠歴の免疫刺激のある患者は、数々の免疫抗体が産生されていること
    がある。
 (4)ウィルス感染、細菌感染のあった患者の中に希に患者血球が殆どの供血者血清
    及び血漿(副試験)で凝集する場合がある。(汎血球凝集反応)

【測定原理】

 血液型抗体には完全抗体と不完全抗体とがあり、免疫抗体はほとんどが不完全抗体として存在するので、交差適合試験は不完全抗体を検出できる方法でなければならない。

 主試験(major cross-match)  受血者血清 + 供血者血球

 副試験(minor cross-match)   供血者血清 + 受血者血球

1.生食法:完全抗体を主として検出する。
2.PEG+間接ク-ムス法:不完全抗体を主として検出する。(高分子)
3.重合アルブミン+間接ク-ムス法:不完全抗体を主として検出する。(膠質溶液)
4.ブロメリン法:不完全抗体を主として検出する。(タンパク分解酵素)

交差適合試験

緊急の場合(参考)

大量輸血時

新生児・乳児

交差適合試験の省略



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