乳酸脱水素酵素(LD)

検査の目的

血清又は血漿中の乳酸脱水素酵素(LD)の測定を目的とする。
LDは生体内の各組織中に広く分布し、嫌気的解糖系の最終段階に働く。血中では心臓、肝臓、腎臓等の各種疾患、悪性腫瘍、白血病、悪性貧血等で上昇がみられ、これら疾患の診断、経過観察の指標となる。

検査に用いられる手順の原理及び測定法

測定法:JCSS標準化対応法
検体中のLDは、L-乳酸を基質としてピルビン酸を生成すると同時に、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)を還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)に変化する。NADHは340nmに吸収極大をもつので、この吸光度の増加速度を測定してLD活性値を求める。

生物学的基準範囲又は臨床判断値

119~229U/L

警戒値/緊急異常値、異常時報告値

3000U/L以上は電話連絡を行う。
警戒値/緊急異常値、異常時報告値は電話で連絡したことを「異常値チェックリスト」に記録する。

臨床的解釈

LDは体内のすべての細胞に存在する。LDには5種類のアイソザイムがあり組織ごとに含まれるアイソザイムが異なる。血清LD活性の上昇は細胞障害による。したがって活性上昇の程度は組織障害の程度を表す。細胞から遊出が止まれば血清LD活性は正常化するが、その消失の速さはアイソザイムにより異なる。LD5は消失が速いためLD5が上昇する急性肝炎、うっ血性心不全ではほとんどその時期の障害の程度を表す。LD1は半減期が2~3週間前の障害を知ることができる。各臓器のアイソザイムパターンには特徴があり、アイソザイム分画は損傷臓器の推定に役立つ。

可能性のある変動要因

シュウ酸(抗凝固剤)は、負の誤差を与えるため使用できない。
赤血球中には多くのLDが含まれているため、溶血した検体は正の誤差を与える。


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