HbA1c

検査の目的

全血中のヘモグロビンA1cの測定を目的とする。
ヘモグロビンA1cとは、ヘモグロビンのβ鎖N末端のバリンが糖化されたものと定義されている。ヘモグロビンが非酵素的に血中の糖と徐々に結合しヘモグロビンA1cが形成される。赤血球が骨髄で形成された後、血中に浮遊している期間に曝されたブドウ糖濃度(血糖値)に比例してヘモグロビンA1cの生成量が増加するため、長期の血糖コントロールを表す指標として有用である。

検査に用いられる手順の原理および測定法

全血中の総ヘモグロビン濃度とHbA1c濃度を測定する。総ヘモグロビン濃度の測定は、HbA1c濃度測定の過程で測定する。このHbA1c濃度と総ヘモグロビン濃度の比率から、HbA1c値を求める。
<HbA1c濃度の測定    原理:酵素法>
溶血試料中のHbA1cは、中性プロテアーゼにより分解され糖化したβ鎖N末端断片(糖化Val-His)を生成する。
生成した糖化β鎖N末端断片は、フルクトシルペプチドオキシダーゼにより酸化され、過酸化水素を生成する。
この過酸化水素はペルオキシダーゼの作用により定量的に発色色素を酸化し、青緑色の色素を生成する。この色素量を波長700nmで測定し、HbA1c濃度を求める。

<総ヘモグロビン濃度の測定    原理:メトヘモグロビン法>
HbA1c濃度の測定中、ヘモグロビンは変性剤である亜硝酸カリウムによりメトヘモグロビンに変化する。
このメトヘモグロビンを波長570nmで測定し、総ヘモグロビン濃度を求める。

生物学的基準範囲又は臨床判断値

 4.3~5.8%
正常値       5.9%以下
糖尿病予備軍     6.0%~6.4%
糖尿病の可能性が高い   6.5%~

警戒値/緊急異常値、異常時報告値

 該当なし

臨床的解釈

HbA1cの値には、直前の1か月間の血糖値が50%、その前の1か月間の血糖値が25%、さらに前の2か月間の血糖値が25%寄与されていると言われている。6.5%以上で糖尿病型と判定される。さらに、同日の血糖値が糖尿病型(空腹時血糖126mg/dL以上また食後2時間値200mg/dL以上)を認めていれば、糖尿病と診断する。

可能性のある変動要因

HbF高値の検体は測定値が定値になる。赤血球寿命の短縮する条件(失血、溶血、肝硬変)などでは低値をとる。また、透析患者などでエリスロポエチンや輸血を受けている場合も低値をとる。


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