MAP(小児)
小児に対する赤血球製剤の投与
【目的】
高度の貧血には赤血球輸血が必要
未熟児早期貧血には鉄剤には反応しないが、エリスロポエチン投与により改善の見られ
る症例も多い
【使用指針】
1.呼吸障害が認められない未熟児
1)Hb値が8g/dl未満の場合:通常は輸血の適応
輸血を必要としない場合もある
2)Hb値が8~10g/dlの場合:
貧血によると考えられる下記の症状が認められる場合は適応
持続性の頻脈、持続性の多呼吸、無呼吸・周期性呼吸、不活発、哺乳時の易疲労、
体重増加不良など
2.呼吸障害を合併している未熟児
障害の程度に応じて別途考慮
【投与方法】
1.使用血液製剤
採血後2週間以内の赤血球濃厚液(RCC)あるいはMAP加赤血球濃厚液(MAP加
RCC)を使用。
2.投与量と速度
1)うっ血性心不全が認められない未熟児:1回の輸血量は10~20ml/kg1~
2ml/kg/時間の速度で投与
2)うっ血性心不全が認められる未熟児:心不全の程度に応じて別途考慮
【使用上の注意】
1.輸血後移植片対宿主病(TAーGVHD)の防止
必ず15Gy~50Gyの照射血を使用。照射後の血中のK+上昇に注意。
2.溶血の防止
1)白血球除去フィルター使用時には加圧、強い陰圧での吸引をしない。
2)細いサイズの注射針を使用しない。
【高カリウム血症予防】
状態のよくない新生児への輸血・新生児の交換輸血
(輸血製剤中の過剰なカリウムを80%以上吸収・除去)
乳児への大量輸血では過剰のK+を処理しきれずに、心停止を引き起こすこともある
1)なるべく新鮮な血液を用いる
2)照射後、速やかに輸血する
3)カリウム吸着フィルターの使用
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