LCT
リンパ球細胞毒試験;LCT;(lymphocyte cytotoxicity test)
1.HLA抗原検査
【原理】
補体存在下でヒトリンパ球上のHLA抗原とHLA抗血清中の抗体が反応した時、活性化された補体によってリンパ球の細胞膜に穴があき色素(Terasaki法ではエオジン、二重蛍光染色法では蛍光色素)により染色された死細胞数の割合によりHLAタイピングを行う。
・HLAクラスⅠ抗原は被細胞として全リンパ球又はTリンパ球を用いる。
・HLAクラスⅡ抗原は被細胞としてBリンパ球を用いる。
【リンパ球分離】
1.リンパ球分離液(フィコ-ル液)を用いた比重遠沈法・・・全リンパ球
2.免疫磁気ビ-ズ法、T,Bクイック法、イムノビーズ法・・・T,Bリンパ球
● 新鮮な血液から、できるだけ早く分離を行う。
● 抗凝固剤(ACD-A液、CPD液)を用い、10ml採血
● 保存する場合は、室温放置
<HLA抗原既知のリンパ球との反応より判定>
● 抗血清(抗体)と反応したリンパ球は、補体の作用により細胞膜が破壊され、膨化し、
エオジンに染まり黒く見え、生細胞は白く光って立体的に見える。
反応スコアをタイピングシートに記録して判定する。
2.HLA抗体検査、交差試験
供血者のリンパ球(HLA抗体スクリーニングの場合はHLAタイプ既知パネルリンパ球を選択して12~24種使用)と患者血清との反応を、LCTまたはAHG-LCT(抗ヒト免疫グロブリンLCT anti-human immunoglobulin - LCT)でみる。
注)LCTは補体を用いた血清反応であるため、補体非結合性あるいは補体結合性Ig
G抗体であっても弱いHLA抗体で細胞表面の抗原分布状態により抗原に結合した抗
体によって補体が活性化されない場合は、抗体を検出することは不可能。
★ HLA抗体を検出できる最も信頼できる方法は、クームス法の原理を用いた
AHG-LCTである。
抗HLA抗体の検出
● 補体と結合しない抗体や低力価抗体は、AHG-LCT(抗ヒト免疫グロブリン血清
= AHG;anti human immunogloburin を加えたLCT)で検出される。
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