遅発性溶血性副作用

(delayed hemolytic transfusion reaction;DHTR)
 輸血されたときになかった抗体、あるいは検出限界以下の抗体が、輸血数日後に輸血された血液の感作によって抗体産生が増加し、血球を破壊。
Rh系の抗E、抗C、抗c、抗e、抗Fya、抗Jka、抗Jkb、抗Lua、抗K、抗M、抗A1などが知られている。   

【症状】

 輸血後5日~14日頃より、急速な貧血の進行(顔面蒼白、血圧の下降)を示し、発熱、黄疸の出現をみる。直接ク-ムス試験の陽性化、ハプトグロビンの減少がみられる。
DICなどを合併することもある。

【予防法】

 完全に阻止することはできないが、適切な方法で不規則抗体のスクリーニングと交差適合試験を行うことにより最小にできる。37℃、間接抗グロブリン試験は必須。
患者が3ヶ月以内に輸血や妊娠の既往がある場合は、輸血前72時間以内に採血した検体で交差試験を行う。



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