血管外溶血性副作用
不規則抗体による不適合輸血で起こる溶血性副作用。不規則抗体に感作された不適合赤血球が肝・脾臓などの網内系に取り込まれて血管外溶血を起こし、血漿中のビリルビンの上昇をきたす溶血性副作用。Rh式血液型などABO式以外の不規則抗体が患者血清中に存在するときに起こりやすい。
【症状】
悪寒・戦慄とともに、発熱をきたすことがある。その後血清ビリルビンの上昇を認める。無症状のことも多く、DIC、腎不全をきたすことはほとんどない。
【検査成績】
赤血球数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値の低下(溶血の所見)
直接クームス試験陽性、間接ビリルビン高値
LDH高値、血清ハプトグロビン値低下
【治療】
発熱に対しては解熱剤・ステロイドが有効である。貧血が強度のときは患者血清中に存在する抗体に対応する抗原を持たない、交差試験適合血を輸血する。
(交差試験に用いる血液は輸血前の血液ではなく、新しく採血した血液を用いる)
【予防法】
完全に阻止することはできないが、適切な方法で不規則抗体のスクリーニングと交差適合試験を行うことにより最小にできる。37℃、間接抗グロブリン試験は必須。
患者が3ヶ月以内に輸血や妊娠の既往がある場合は、輸血前72時間以内に採血した検体で交差試験を行う。
輸血副作用にもどる
輸血にもどる