同定のための血球抗原の選び方
1.通常では、市販の抗体同定用パネルを使用するが、量的効果 dosage effectを示す抗体、 Rh、
Kell、Duffy、kidd、MNSs血液型などの抗原はホモ接合体であることが望ましい。
2.被検血清が十分量確保できない場合は、スクリーニングで推測される抗体に対する血液型抗原陽性
3種と陰性3種(パネル)の反応が一致したとき、その抗体である確立は95%となることで特異性を確
認することもできる。
3.高頻度抗原、低頻度抗原など(追加パネル)の選択
抗Jra、抗Dib抗体などは高頻度抗原に対する抗体として、抗Wr a抗体は低頻度抗原に対する抗体と
して知られている。なかでも抗Jr a抗体はパネル血球の大部分と抗グロブリン試験で反応し、日本人
に比較的多く検出されるが、多くは自施設での高頻度抗原、低頻度抗原追加パネルを確保することは
困難である。
【抗体の吸収と解離】
・単一の抗体や複合抗体を同定する場合、吸収したい抗体を既知の抗原で吸収する。
・吸収した抗原血球から抗体を解離させ特異性を確認する。
・複合の場合は、未吸収の抗体は上清に残り、同定が容易となる。
・解離する抗体がIgG抗体の場合は有機溶媒法を用いる。
・一般的にはO型血球で抗体価が低いほうの抗原を選ぶか、選ぶ高原が低頻度の場合は得ることが
困難であることから、抗原頻度の高い抗体を吸収する。
吸着試験
抗体解離試験
【適合血の選択基準】
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