3.腎生検業務手順

1.予約検査のため前日までに連絡を受ける。患者名、ID、予定提出時間、感染症の有
  無等を確認する。

2.受取から固定液投入まで、原則としてゴム・プラスチック手袋等を着用する。

3.使用したシャーレ、ピンセット、カミソリ等は感染性廃棄物として廃棄または消毒す
  る。

4.検体受取
  a) 検体は生食で湿らせたガーゼに載せシャーレに入れて生標本のまま提出。
  b) 顕微鏡で糸球体を確認し、一般標本用10個以上、蛍光抗体用2~3個および
   電顕用2~3個を目安とする。
  c) 必要量確認できない時は追加を依頼する。
  d) 追加が不可能な時は、電顕用、蛍光抗体用と順にとり止めるが、指示医の指示を
   受ける。
  e) 糸球体の確認が困難な時は一般顕微鏡の利用、他医師、技師等にも確認を依頼
   する。
  f) 生検された全ての材料は標本にする

5.検体分割
  a) 顕微鏡下で、生検腎を目的の検査ごとに分割する。
  b) 分割には、組織破損防止のため両刃カミソリを使用することが望ましい。
  c) カミソリで手指を怪我しないよう注意する。

6.固定法
  a) 各固定方法及び固定液は下記参照。
   ・電顕用固定液(2.5%グルタールアルデヒド)
   ・蛍光抗体用:アルミの入れ物に入れたコンパウンドに沈め、液体窒素で冷した
   イソペンタン等を用い凍結する。
   ・光顕:ピクリン酸の入った固定液を原則とし、Dubosq Brazil固定が望ましい。
  b) 固定液は使用前に準備し、分割後連やかに各固定液に投入する。

7.蛍光抗体法
  別途マニュアルに従い、蛍光抗体直接法を行う。

8.電顕:電顕の項に準ずる。

9.光顕標本作製法:生検材料検査法の項に準ずる。



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