総ビリルビン

検査の目的

 血清又は血漿中の総ビリルビンの測定を目的とする。
総ビリルビンは直接ビリルビンと間接ビリルビンの和である。ビリルビンの上昇が直接型か間接型によって、病因を判別できる。
ビリルビンはヘム蛋白が処理され生成される物質である。体内で産生されたビリルビンは非抱合型ビリルビンとして肝臓に運ばれた後、uridine diphosphate glucuronyl transferase(UDPGT)の作用により抱合型ビリルビンに変化する。
非抱合型ビリルビンがほぼ間接型ビリルビンに相当し、脂溶性であるため尿中には出現しない。
抱合型ビリルビンが直接型ビリルビンに相当し、水溶性である。肝臓で処理された後、胆汁中に排泄される。

検査に用いられる手順の原理及び測定法

測定法:酵素法
検体中のビリルビン(T-BIL)は、pH7~8の条件下でビリルビンオキシダーゼ(BOT)の作用により、ビリベルジンに酸化され、ビリルビンに依存する450nm付近の吸光度が減少する。この吸光度を測定し、総ビリルビン濃度を求める。

生物学的基準範囲又は臨床判断値

 0.3~1.3mg/dL

警戒値/緊急異常値、異常時報告値

30.0mg/dL以上は電話連絡を行う。
警戒値/緊急異常値、異常時報告値は電話で連絡したことを「異常値チェックリスト」に記録する。

臨床的解釈

 総ビリルビンは直接ビリルビンと間接ビリルビンの和である。
ビリルビンはヘム蛋白が処理されて生成される物質である。体内で産生されたビリルビンは非抱合型ビリルビンとして肝臓に運ばれた後、uridine diphosphate glucuronyl transferase(UDPGT)の作用により抱合型ビリルビンに変化する。この非抱合型ビリルビンが概ね間接ビリルビンに相当し、抱合型ビリルビンが直接ビリルビンに相当する。
間接ビリルビンの増加は①体内での生成過剰②肝臓での抱合異常により出現する。
①体内での生成過剰を起こすものとして溶血性貧血やシャント高ビリルビン血症がある。
シャント高ビリルビン血症は、骨髄における無効造血の亢進に由来することが多い。
②肝臓での抱合異常は体質性黄疸で認められる。Gilbert症候群、Crigler-Najjar症候群II型ではUDPGTの活性低下により出現し、Crigler-Najjar症候群I型はUDPGTの欠損により出現する。Lucey-Driscoll症候群は妊娠血中や母乳中に含まれるUDPGT抑制物質による黄疸である。非抱合型ビリルビンは脂溶性であり、尿中には出現しない。
直接ビリルビンの増加は肝・胆道系疾患(肝細胞障害、肝内胆汁うっ滞、胆道閉塞)の存在を示唆する。肝変、肝硬変などの肝細胞障害では細胞内小器官や毛細胆管の破錠によりビリルビンが血中に流入する。肝実質障害が強ければ間接ビリルビンの取り込み障害により、高間接ビリルビン血症も同時に出現する。肝内外の胆汁うっ滞では、ビリルビンの逆流により高直接ビリルビン血症が出現する。体質性黄疸としては、抱合型ビリルビンの排泄障害に起因するDubin-johnson症候群、Rotor症候群がある。

可能性のある変動要因

 溶血により間接ビリルビンが増加する為、ハプトグロビンやLDHなどの溶血の指標となる検査も必要である。
ビリルビンは光の影響を受ける為、血清・血漿分離後は遮光し速やかに測定する。
長期保存する場合は遮光にて-20℃以下で冷凍保存をする。


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