病理解剖業務手順

1.死体解剖保存法(昭和24年法律第104号)、同法施行令(昭和28年
  政令第381号)、同法施行規則(昭和24年厚生省令第37号)および
  病理解剖指針(昭和63年健政発第693号)を理解し遵守する。

2.すべての屍体は感染症が存在する想定で準備し、術者の服装等感染防止に
  努めると共に、感染物の拡散防止に努める。

3.検査部感染防止マニュアルを参照する。

4.剖検介助マニュアル(病理解剖介助の仕方)を参照する。

5.剖検準備
  作業内容
   解剖介助手順を参照し剖検が速やかに行われるように準備する。

感染防止対策
   症例に応じ、各種消毒剤を準備する。

6.屍体受取
  作業内容
   主治医または看護師から屍体を受け取り、解剖台に載せる。
   屍体は患者本人であることを、主治医または看護師から確認する。
   屍体を落下させないように注意する。
 ● 屍体はストレッチャーから解剖台まで、平行移動板を利用することが望ましい。

感染防止対策
   主治医から感染症の有無を確認する。

7.剖検実施
  作業内容
   上記1、法等により剖検を行う。
   血液等の飛散防止に心掛ける。
   刃物および骨角等で怪我をしないように注意する。怪我した時は、直ちに作業を中
   止し、患部の消毒および症例によってそれぞれのマニュアルに従い適当な処置を受
   ける。
   脳を摘出する前には、執刀医に開頭してよいか再確認する。
   全臓器が摘出されたあと、縫合の許可を病理医より得る。
   縫合の前に、屍体腔の中に鋏・メス等の金属が放置されていないか念入りに確認
   後、縫合する。

感染防止対策
   上記1、2、3を参照する。

8.屍体の返還
  作業内容
   主治医および看護師に屍体を返還する。
   屍体の落下に注意し、解剖台からストレッチャーヘの移動は、平行移動板を利用す
   ることが望ましい。
   縫合不全がないか確認し、血液等がしみでる箇所があれば縫合する。

感染防止対策
   屍体に血液等が付着していないように洗浄清拭する。

9.返還後の処置(摘出臓器)
  作業内容
   摘出臓器を写真撮影し、20%ホルマリンで固定する。
   臓器の写真撮影と固定は病理医の指示に従う。
   臓器が固定液に完全に浸漬するようにする。
   臓器が多い時は、固定容器を複数用いて固定する。
   完全に固定するために、翌日新しい固定液と交換する。

10.室内の清掃
  作業内容
   剖検終了後の剖検室内を清掃する。
   使用した手袋等は青いビニール袋に入れて処理する。
   刃物の取り扱いに注意するため、布手袋を着用したまま行う。
   次の剖検番号を明確にするため、写真撮影用のスケール番号はそのままにし、
   カード番号は次剖検番号とする。

感染防止対策
   血液等の飛散をできるだけ少なくする。
   清掃と消毒は念入りに行なう。

11.電算入力
  手術材料検査法参照

12.切り出し
  医師篇参照

13.以下標本作製、診断、結果配布および整理保存。
  手術材料検査法参照



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