検体の取り扱い
1.血液検体の採取
①輸血検査に用いる患者検体は、プレーン採血管(凝固血液)かEDTA加採血管
(抗凝固血液)で5~7ml採血する。
②3日以内のできるだけ新鮮な血液を用いて検査をする。
③検体の取り違いをチェックするために、血液型検査と交差適合試験に用いる検体は別に
採血した検体を用いて検査をする。(検体のダブルチェック)
2.検体の保存
輸血後の副作用や合併症が生じた場合の原因究明、追跡調査と治療に役立てるため、
交差適合試験用の検体と輸血用セグメントは、少なくとも1~2週間、4℃程度で、
また可能であれば2~3ヵ月間、冷凍保存しておくことが望ましい。
患者検体の保存にあたっては、「血液製剤等に関する遡及調査ガイドライン」※を遵守すること。以下、一部要約抜粋する。
医療機関が当該指針(VIIIの1の2)の(2)のⅱ及びⅲ)に従って輸血前後の検査を実施していない場合は、輸血前後の患者血液(分離血漿又は交差適合試験等で使用した血清あるいは血漿(血球と分離)で約1ml)を当分の間、-20℃以下で可能な限り保存することとし、日本赤十字社から検査依頼があった場合には当該指針に従って検査を行うこと。
この際、コンタミネーションのないようにディスポーザブルのピペットを使用するなどの対応が望まれる。
なお、当該指針に従って輸血前後の検査を行っている場合であっても、検査の疑陽性結果、潜在ウイルスの活性化等の有無を確認するため、輸血前後の患者血清(漿)の再検査を行うことがあるので、
(1) 輸血前1週間程度の間の患者血清(漿)
及び
(2) 輸血後3か月程度の血清(漿)
についても保管しているものがあれば、日本赤十字社に提供し、調査に協力すること(院内採血の場合は除く)。
この際の保管条件は、分離血漿又は交差適合試験等で使用した血清あるいは血漿(血球と分離)を1ml程度、-20℃以下で3か月以上可能な限り(2年間を目安に)保管することが望ましい。
※厚生労働省医薬食品局血液対策課 平成17年3月
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