グルコース
検査の目的
血清、血漿又は尿中のグルコースの測定。
血中の糖は、腸からの吸収、肝でのグリコーゲンの分解、他物質よりの新生などによって増加し、グリコーゲン生成、組織での酸化分解、脂肪への転化などにより減少する。また、生体内の糖代謝は内分泌系及び自律神経系によって支配調節を受けていることから、血糖値及び尿糖値の異常はそれら疾患の診断・経過の判定などに大変重要とされている。
検査に用いられる手順の原理および測定法
測定法:酵素法
グルコースはATPの存在下ヘキソキナーゼ(HK)によりグルコース-6-リン酸を生じる。このグルコース-6-リン酸は、グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PDH)により6-ホスホグルコン酸となり、このときNADがNADHになり340nmの吸光度が上昇する。この吸光度変化を測定することによりグルコース濃度を求める。
生物学的基準範囲又は臨床判断値
空腹時血糖:70~109mg/dL
随時血糖:70~199mg/dL
◉ 髄液糖:50~80mg/dL
正常状態においては血糖値の60~80%に維持されている。したがって髄液糖の増減を評価するためには必ず血糖値を測定し,両者を比較する必要がある
臨床的解釈
高血糖をきたす機構は、インスリン分泌低下やインスリン感受性の低下などにより、
肝の糖新生更新、末梢組織でのグルコース利用の低下による。また、グルカゴン、アドレナリン、下垂体ホルモンは、インスリンの作用を抑制するため血糖の上昇をきたす。
さらに、高浸透圧性昏睡時には、循環血流量の減少が起こりブドウ糖の腎からの開設障害も加わる。
低血糖は、摂食時のインスリン過剰分泌や膵島β細胞腫瘍、インスリン過剰投与などの
インスリン過剰状態で起こる。また、空腹時に肝での糖新生の低下、末梢での糖利用の亢進、アルコール摂取やコルチゾール不足などによっても低血糖をきたす。
髄液糖が低下する疾患は代表的なものとして細菌性髄膜炎,結核性髄膜炎,真菌性髄膜炎,悪性腫瘍の髄膜浸潤などがあげられる。この機序としては好中球や病原微生物などによる嫌気性解糖作用の亢進や,血液脳関門の破壊による糖移送の障害などが考えられている。測定法には電極法や酵素法などがある。
また頭蓋底骨および側頭骨の骨折により硬膜が破れると髄液が鼻腔や内耳に流出し,水
様性の鼻汁や耳漏を認めることがある。これを髄液漏とよぶ。一般の鼻汁や耳漏には糖は
わずかしか含まれてないので髄液漏の場合,糖を測定することで両者の鑑別に役立つこと
がある。
可能性のある変動要因
食事摂取にて上昇し、絶食や運動にて低下する。
日内変動としては御膳時頃に低下する。
全血で測定すると血漿の測定値より低値を示す。
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